シリーズ第⑱回で「メトフォルミン(メトグルコ)」について述べました。この薬には糖尿病治療薬としての効果以外に、癌発症抑制効果の報告が数多くあり、さらなる調査が現在進行中です。
今回は、何とメトフォルミンの老化防止(アンチエイジング)薬としての効果を調べる臨床試験が米国で行われるらしい。基礎研究では、研究者がこの薬を回虫に投与したら加齢が遅れ寿命が延びた、マウスに投与したら寿命が40%延び、骨も丈夫になった。原因分析の結果、生物の細胞を頑丈にし寿命を延ばすとされる酵素を細胞内に増やす効果がメトフォルミンに確認されたとのことでした。
米食品医薬品局(FDA)が認可した臨床試験が今年から始まります。研究者たちは、メトフォルミン投薬により人間の老化を約20年遅らせることが可能と言い、「100歳の人は寿命が120歳まで延び、70歳の人は50歳の若さと健康を手に入れられる。アルツハイマー病の進行も止められる。」などと主張しています。正直本当かなという気もしますが、まずは結果を待ちたいと思います。
全ての癌が克服出来たとしても人間の平均寿命は3年延びる程度とのことですが、老化防止薬が現実のものとなれば人類に与える恩恵は計り知れないことは間違いありません。

わたなべ糖内科クリニック