さる11月14日は世界糖尿病デーでした。今年の標語は「人生100年、筋量増やして健康寿命」でした。糖尿病治療の目標は血糖管理をよくすることで合併症の発症、進行を防ぎ、健康な人と変わらない寿命と生活の質を維持すること(健康寿命の確保)です。人生100年といわれる時代に突入し、高齢化の急速な進行と共に介護を必要とする高齢者が増えることが問題視されています。

高齢になると糖尿病だけでなく、骨粗鬆症や整形外科疾患、心臓病、呼吸器疾患など様々な病気を発症しやすくなります。それらの結果、筋肉量が減りやすくなる(筋肉が減ること=サルコペニア)。筋力や身体機能が低下すれば日常生活にも支障をきたすようになり要介護へ移行しやすくなる(この状態をフレイルと言います)ので、それを防ぐための支援も必要になります。

まず筋肉量を減らさないことが大事。痩せ過ぎれば筋肉量も減って来ます。65歳以上の高齢者は筋肉量が減るサルコペニアになる可能性を考えて、体重を下げすぎないことも大事。痩せないためにはまずカロリーを確保する。また蛋白質(肉魚、大豆食品)をきちんと摂る。和食の方でも卵、納豆を加えれば良いです。また糖質(炭水化物)制限は、高齢者ではカロリー不足に陥りやすい点で注意が必要です。

 

 

11月14日「世界糖尿病デー」の啓蒙ポスター(2019年)

この日は、1921年に世界で初めてインスリンを発見した一人である、カナダ(トロント)の外科医バンティングの誕生日です。

わたなべ糖内科クリニック