2020.10.01更新

 糖尿病には大きく分けて1型と2型があります。(その他の型もありますが少数です。)1型糖尿病では身体からのインスリン分泌がほぼゼロとなり(インスリンの絶対的欠乏)、生きてゆくためにはインスリン注射が不可欠な状態(インスリン依存)になっています。インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が何らかの原因によって破壊されインスリンが出なくなり発症します。この原因は、自己免疫(自分の身体に対するアレルギーの一種)であることが多いのですが原因がわからないもの(特発性)もあります。


 1型糖尿病は、膵臓のインスリンを出す細胞だけが無くなってしまうことで起こる病気ですので、2型糖尿病のような生活習慣病とは異なり、肥満とは関係ありません。また2型糖尿病のような遺伝傾向も多くありません。


 1型糖尿病の方は我が国の糖尿病患者の5%以内ですので、それ以外の大半の方は2型糖尿病になります。2型は遺伝傾向が強く、肥満や生活習慣がその発症や悪化に強く関係します。2型糖尿病ではインスリン分泌の状態は様々であり、ほとんど低下していない方から、種々の段階に低下している方、中にはインスリン依存に近い状態の方までおられます。そして、その程度に応じて食事療法だけ、内服薬、インスリン治療と治療法も変わってくるのです。

 

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2020.09.15更新

 糖尿病の薬には、飲み薬(内服薬)と注射薬があります。糖尿病の薬ですから血糖値を下げ正常に近づけることが目標ですが、副次的な効果もあり、体重を増やすもの、減らすもの、どちらでもないものがあります。体重が減らなくて困っている方にとっては、血糖を下げると同時に体重も減らすものがあればベストですね。

 古くはメトホルミン、炭水化物の消化吸収を遅らせるのむ薬(α−グルコシダーゼ阻害薬)がそれでしたが、体重減少効果はあっても軽度でした。しかし、近年血液中の糖(血糖)を尿中に持続的に捨てる薬(SGLT2阻害薬)が出てきて、これは平均で体重を3kgくらい低下させます。血糖低下だけでなく減量も出来るので2型糖尿病に併発しやすい高血圧、脂質異常症、脂肪肝も改善します。さらに心血管病、腎臓病を併発している方の予後も大幅に改善することが分かって来ました。

 注射薬であるGLP-1受容体作動薬(ビクトーザ、トルリシティなど)にも同様の効果が示されましたので、特に心臓病や腎臓病を併発している2型糖尿病の方には、これらSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬を積極的に使うよう欧米では推奨されています。GLP-1受容体作動薬は胃の動きを抑えるので、使い始めに気持ち悪くなることがありますが、うまく使えば食欲を落とし減量効果も期待できるでしょう。

 

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2020.09.15更新

 新型コロナウイルス感染を恐れる日々ですね。4月7日に緊急事態宣言が発令されて一ヶ月以上経ちますが、さすがに新規感染者数は減って来ました。そりゃそうです。ここまで皆頑張っているのに減らなければ嘘です。ただ、解除されて一気に緩めば第二波が来かねません。まだまだ終息は先のようです。この環境とうまく付き合えるよう今後は生活を変えないといけません。  

 外出時はマスクをして自分の手(指)で顔を触らないようにしましょう。指先にウイルスがついても顔を触らなければ大丈夫。帰宅したらまずは石鹸で手洗い。石鹸に含まれる界面活性剤は高濃度(50%以上)アルコールとともに新型コロナウイルス抑制にとても有効であることが北里研究所の研究で示されました(今回は花王製品のみ)。両手指を中心に両手全体を30秒しっかり洗えば、家の中のものを自由に触っても大丈夫。

 仕事もテレワークとなりジムもお休み、運動不足で体重が増えてしまっている方も多いと思います。家での運動、踏み台昇降はいかがでしょう。意外にきつく息も上がりますので、まずは楽なところから。いきなり無理は禁物です。

 やはりウォーキングができればベスト。マスクをして人混みを避ければ外出しても良いと思います。その場合ソーシャル・ディスタンスに注意してお互いの距離が2m以内に近づかないようにしましょう。

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2020.09.15更新

 糖尿病の方で血糖コントロールが悪いと、細菌、ウイルス、真菌(カビ)に対する抵抗力が弱くなり、インフルエンザ、結核など感染症全般にかかりやすくなります。血糖値が高いと、白血球による殺菌能が低下したり、免疫に関わる細胞の働きが低下し、病原菌と十分に戦えなくなるからです。

 この対策としては、良好な血糖コントロールを保つことが必要になります。また体の抵抗力をつけておくことも大切で、そのためには、血糖コントロールに加え、適度な運動、バランスのとれた食事、良質の睡眠等が大事になります。

 今、懸念となっている新型コロナウイルスの感染経路としては、(咳から直接うつる)飛沫感染、接触感染、エアロゾル感染(空気感染?、定期的な換気が有効)などが言われていますが、一番重要なのが「接触感染」です。不特定多数の人が触った場所(ドアノブ、手すり、電気などのスイッチ、電車の吊り皮など)を無意識に触ってしまった指で、うっかり自分の顔を触ってしまうことで感染します。眼、鼻、口の粘膜から感染するようです。

 だから、定期的に手洗いすることが大事なのです。何か触ったらすぐに手洗い、外でどこか触ったらすぐに手洗いを。たとえアルコール消毒が無くても、石鹸で手洗いです!

 

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2020.02.01更新

 今月はHbA1cが上がってしまった方も多いのではないでしょうか。まあ、仕方ありません。そういう時期です。1月は暦の上でも小寒、大寒があり、これからまだまだ寒くなります。寒ければ汗をかきにくく、それだけで代謝は落ちます。その結果、インスリンの効きが悪くなり血糖が下がりにくくなる。

 一方、寒いと体重が増えやすくなる。体重が増えればそれだけで血圧が上がる、血糖も上がる。内臓脂肪の蓄積も増えるのでメタボとなり、肝臓の細胞の中に脂肪が溜まれば、いわゆる脂肪肝(脂肪性肝炎)にもなります。脂肪肝といっても馬鹿に出来ません。中にはNASH(ナッシュ)という悪性の脂肪肝があり、その場合肝硬変へ移行するからです。

 今月の悪化の原因は、年末年始、お正月の後だったということもありましょう。この時期はイベントも多く、寒さと相まって暴飲暴食、運動不足に陥りやすいからです。生活習慣病の治療は生涯続くことも多い。先は長いのですから、一喜一憂せずゆったり構えましょう。これから良くすれば良いのです。ちなみに、この時期悪化する方は、暖かくなると良くなる傾向があります。

 

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 日田市

上記は、大分県日田市のグループからの報告(Diabetol Int 2013; 4: 173-178)です。

夏に比べて冬のHbA1cの平均値が高くなっていることがわかります。

 

 

 

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2019.12.02更新

 さる11月14日は世界糖尿病デーでした。今年の標語は「人生100年、筋量増やして健康寿命」でした。糖尿病治療の目標は血糖管理をよくすることで合併症の発症、進行を防ぎ、健康な人と変わらない寿命と生活の質を維持すること(健康寿命の確保)です。人生100年といわれる時代に突入し、高齢化の急速な進行と共に介護を必要とする高齢者が増えることが問題視されています。

 高齢になると糖尿病だけでなく、骨粗鬆症や整形外科疾患、心臓病、呼吸器疾患など様々な病気を発症しやすくなります。それらの結果、筋肉量が減りやすくなる(筋肉が減ること=サルコペニア)。筋力や身体機能が低下すれば日常生活にも支障をきたすようになり要介護へ移行しやすくなる(この状態をフレイルと言います)ので、それを防ぐための支援も必要になります。

 まず筋肉量を減らさないことが大事。痩せ過ぎれば筋肉量も減って来ます。65歳以上の高齢者は筋肉量が減るサルコペニアになる可能性を考えて、体重を下げすぎないことも大事。痩せないためにはまずカロリーを確保する。また蛋白質(肉魚、大豆食品)をきちんと摂る。和食の方でも卵、納豆を加えれば良いです。また糖質(炭水化物)制限は、高齢者ではカロリー不足に陥りやすい点で注意が必要です。

 

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11月14日「世界糖尿病デー」の啓蒙ポスター(2019年)

この日は、1921年に世界で初めてインスリンを発見した一人である、カナダ(トロント)の外科医バンティングの誕生日です。

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2019.09.30更新

 厚生労働省の発表によると、人口10万人あたりの糖尿病による死亡率(2018年)が47都道府県中最も高かったのは青森県(20.2人)で、何と4年連続でワーストでした(それまでは徳島県)。最も低かったのは神奈川県(7.8人)で、愛知県、東京都と続きます。千葉県は良い方から16位ですが、10万人当りの死亡率11.6人とほぼ全国平均(11.4人)並みでした。

 青森県は、糖尿病の合併症でもある脳卒中や心筋梗塞による死亡が多く、その原因として、食塩摂取量の多さ、多量飲酒者の多さ、喫煙率の高さがあるとされ、雪国ゆえの運動不足による肥満、検診受診率の低さ等も指摘されています。全国と比べても糖尿病の病状が進行し合併症を発症している方の割合も多いようです。

 同じくワースト3に入る徳島県、香川県は、うどんをはじめ糖質(炭水化物)摂取量が多いこと、車が必須でコンビニにも車で行く等深刻な運動不足が原因かもしれません。 

 糖尿病知識の啓蒙、普及がなされ、まずは予防に努め、指摘されたら放置しない、必要であれば定期的に通院し、合併症発症をまず予防し、発症しても進行させないことが、ひいては糖尿病による死亡率を下げることにつながります。

 

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死亡率

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2019.07.27更新

 糖尿病の合併症、「しめじ・えのき」と覚えましょう。「しめじ」は、し:神経障害、め:眼(網膜症);じ:腎臓(腎症)でいわゆる3大合併症を、また「えのき」は、え:壊疽、の:脳梗塞、き:狭心症・心筋梗塞を表し、動脈硬化の結果起きうる重大な合併症になります。

 糖尿病治療で一番大事なことは合併症を起こさないこと、もしくは既にある合併症をそれ以上進行させないことです。そのためには、HbA1cは7%未満に下げるべきであるし、またLDLコレステロールを120 mg/dL以下、血圧は130/80 mmHg以下に維持すべきです。

 もし、これらデータが悪ければ薬を使ってでも下げるべきです。要はデータ次第、データが悪いまま続けば、いずれは合併症で後悔する可能性が高くなります。そのためには、薬も必要。薬を使わなくてもデータが良ければそれでいいし、データが良くなれば薬をやめることも出来る。薬開始を躊躇しているうちに数ヶ月〜数年の歳月が経過してしまい、いつの間にか合併症が進んでしまうかもしれません。

 薬を使うか、使わないかが問題ではありません。要はデータを良くすること。合併症を起こさないとされる基準値まで下げ、それを維持していくことが最も大事なのです。

 

 

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2019.06.12更新

 体重増加で糖尿病は悪化しやすい。体重を落とすには、まず食事の総カロリーを減らすことが必要です。食事の栄養素は大きく、炭水化物(糖質)、蛋白質、脂質(あぶら)に分けられ、それぞれの摂取バランスと健康との関連が議論されています。

 糖質制限は、糖質(炭水化物)だけに着目して制限すれば良いので分かりやすく、実行しやすい。糖質摂取量を減らすことで食後の血糖は上がりにくく食後のインスリン分泌が減るので体重が落ちやすく短時間で効果を実感しやすい。ただ初期には効果が顕著でも、長期間維持するのは難しく徐々に効果が薄れることも多い。

 BMI(体格指数)=22が標準体重ですが、必ずしもそこを目指す必要はありません。肥満の方は、まず現体重の−5%減量で血糖や代謝はかなり改善します。

 糖質制限を推奨する時にタンパク質、脂質はいくら食べても良いという論調もありますが果たしてどうでしょうか。腎臓病になると蛋白質摂取を制限しますが、蛋白摂取が多いと腎機能が悪くなるというデータは無さそうです。ただ動物性蛋白の摂取が多いと動脈硬化による死亡や糖尿病発症を増やすという報告もあり、現時点においては蛋白摂取量は総カロリーの20%以下が良さそうです。

 脂質は中身次第だと思います。肉は飽和脂肪酸を含みやすく動脈硬化につながるので脂身は避けたい。魚、なかでも光り物はオメガ3系不飽和脂肪酸を多く含み健康にも良い。オリーブオイルも一般的に良いとされますが、カロリーは高いので摂りすぎれば太ります。

 

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豪徳寺

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2019.04.10更新

 糖尿病では食事療法とともに運動療法が有効です。以前よりウォーキング、ジョギング、サイクリングのような(10分以上筋肉を動かす)「有酸素運動」が勧められ、代謝改善によりインスリンの効きが良くなり血糖が下げるだけでなく、血圧、脂質改善の効果もあります。運動による糖代謝の改善効果は半日〜3日持続しますので、少なくとも週に3〜5日、(ややきついと感じる)中等度の有酸素運動を20〜60分間(週150分以上)行うことが理想とされますが、少なくても大丈夫。しないよりはまし、細切れウォーキングでも効果はあります。

 週に2〜3回「レジスタンス運動」を併用するとより効果的です。これは筋肉に負荷を与える運動で、自体重、チューブ、ダンベル、マシンを使うことで筋力と筋持久力を高め、同様に血糖を改善することが分かって来ました。

 以上は比較的元気で身体機能に問題の無い方にお勧め出来ますが、一人ひとり状況は違いましょう。膝に問題のある方などでも水中歩行なら出来るかもしれません。しかし、心臓に問題のある方、眼や腎臓に合併症のある方では運動が好ましくないケースもありますので、まず主治医とご相談ください。

 まず、出来ることから始める。なるべく階段を使う、ある程度短い距離なら歩いてみる、通勤で一駅歩くことから始めてみましょう。

 

DM運動療法

 

 

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

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