2018.09.25更新

 糖尿病の3大合併症は「しめじ」と覚えますが、「じ」が腎症で、蛋白尿で発症するのが特徴です。糖尿病の方が経過中に尿蛋白が出るようになれば、腎症が発症している可能性が高いですが、その時点で腎機能は通常は正常です。さらに数年が経過し血清クレアチン値が上昇し始め、やがては腎不全となり、高度となればいよいよ透析が必要という経過をとります。

 対策としては、予防と早期発見が重要です。血糖管理が悪いことが一番の原因ですからまずは血糖を良くすること、同時に血圧管理、脂質管理、禁煙等を行い予防します。常に尿蛋白が出るような状態(腎症第3期、顕性腎症期)では既に腎症が完成していますので、もっと早期に発症を知る必要があります。そこで尿中のアルブミン測定を行います。尿蛋白陰性の段階でも、精密検査で尿中アルブミンを測定すると僅かに出ていますのでそこを頼りにします。その値が30(mg/gクレアチニン)を超えたら、腎症の入り口に入った(第2期、早期腎症期)と判断します。

 腎臓そのものを良くする薬はありませんので、先に挙げた基本管理が重要です。さらに病期が進むと塩分、蛋白等の制限も必要になります。腎機能低下を認めたら腎臓内科専門医の先生をご紹介し、連携して治療にあたることも大事です。

 

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.27更新

 例年にない猛暑が続いていますが、お変わりありませんでしょうか。今年は急に暑くなったため身体がまだ暑さに慣れていない、暑いだけでなく湿度も高いなど悪条件が重なっています。

 熱中症予防のためには、暑さを避ける(我慢しない)、小まめな水分補給が大事とされます。 特に糖尿病患者さんの場合は、血糖値が高ければ尿量が多く脱水になりやすい、また合併症で自律神経障害があると発汗が減り体温が上昇しやすく熱中症になりやすい傾向があります。睡眠不足や疲れがたまっている、体調が悪い時なども要注意です。血糖コントロールを早く改善し、まめな水分補給を心がけることで、この時期を無事乗り切りたいものです。

 スポーツドリンクは意外に糖が多いので要注意です。OS-1のような経口補水液の方が糖は少ないです。たくさん汗をかいた時には糖を含まない飲み物か水、お茶に塩少々(市販の経口補水液は塩分濃度が0.3%程度で糖も少々含みます)摂るのもよい(梅干しも可)でしょう。ただし高血圧や腎臓病等ある方は、塩分摂りすぎも駄目ですので主治医に確認を。

 この時期の運動療法は無理をしないように。また、SGLT2阻害薬内服中の方も脱水になりやすいので注意が必要です。

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投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 糖尿病の3大合併症をご存知ですか?「しめじ」と覚えます。し:神経障害、め:眼→網膜症、じ:腎臓障害です。このうち、腎臓障害と神経障害は内科に通院していれば予防のための指導を受けたり早期発見が可能です。しかし、網膜症だけは眼科で専門的な検査を受けなければ見つけることが出来ません。

 糖尿病網膜症は自覚症状なく進行するケースが多く、最終的には様々な程度の視力障害を引き起こし、放って置くと失明に至ることもある重大な合併症です。糖尿病発症から網膜症の発症まで数年かかると言われていますが、糖尿病と診断された時点で既に何年も経過していることもあります。網膜症は早期に発見し適切な治療を行うことで視力障害の進行や失明の予防が可能になって来ています。糖尿病と診断されたら出来るだけ早期に眼科を受診することが重要です。自覚症状はあてになりません。見え方に問題がある時はすでに最終段階です。最低でも1年に1回は眼科でチェックを受けられることが必要です。

 当院でもお渡ししている「糖尿病連携手帳」には、眼科の先生に記入していただくページもあります。眼科の先生からさらに「糖尿病眼手帳」を渡されることもあります。内科と眼科の連携のもと継続的に治療に取り組まれることが大切です。

 

 新聞34

 

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 2型糖尿病は肥満が問題です。内臓脂肪型肥満(メタボ)があると脂質異常症や高血圧も併発しやすく動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)を起こしやすくなります。又脂肪肝も併発し、中にはNASHのような悪性の脂肪肝もあります。たとえ糖尿病が良くなってもこれらがあれば安心できません。痩せれば全て良くなるので痩せることが重要です。痩せるためには徹底したダイエットが必要ですが、実行、維持が難しいのも事実です。

 SGLT2阻害薬は血液中の糖(血糖)を尿中に捨てる薬です。1日約70gの糖を強制的に尿に出すことで血糖を下げ太りにくくします。同時に尿量が増え脱水になりやすいので、のみ始めは水分を(1日500mL以上は)多めに摂る必要があります。平均3kgの体重減少が見込める薬とされますが、うまくいかない場合は余分に食べてしまっている可能性が高いです。体重が減って内臓脂肪が減れば全て良くなる、血圧も安定し、脂質・肝機能の異常も改善しやすくなります。

 この薬でうまくいく方は多いのですが、中には体調不良になったり合わない方もいます。脱水以外にも低血糖、尿路(陰部)感染症など注意は必要です。減量がどうしてもうまくゆかない方は一度試してみる価値はあると思います。

 福岡森田

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 糖尿病合併症には心筋梗塞、脳梗塞のような動脈硬化性疾患も多く、生命に関わることも有り予防が重要です。血糖だけでなく血圧、脂質の管理、禁煙が求められます。

 では、コレステロール値はどこまで下げるべきでしょうか?動脈硬化予防には、まず悪玉とされるLDLコレステロール(LDL-C)は120mg/dl以下にすべきとされます。しかし、それでも心筋梗塞になる方は少なくなく他のリスクも想定され、これを総コレステロール値から善玉であるHDLコレステロールを引いた値、non-HDLコレステロール(non-HDL-C)で代用することも多いです。LDL-Cよりさらに悪玉とも考えられる事から超悪玉とも呼ばれます。昨年出た予防ガイドラインではnon-HDL-Cを150以下に維持すべきと明記されました。

 ではどうすれば下がるか。食事や生活習慣はもちろん大事ですが、コレステロールは食事の影響は1割程度しかなく、残りの9割は肝臓で合成され体質の部分も大きいので、スタチン系という合成を抑える薬が最も有効です。この薬はまた、血管の炎症を抑える作用もあり動脈硬化の発症進展そのものも抑え一石二鳥です。対して中性脂肪は食事による影響が大きく1日の中でも大きく変動しますので、食事管理(による減量)が最も有効です。

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 皆さんは油を摂ると血糖が上がると思っていますか?答えは否です。食後すぐに血糖を上げるのは糖質(炭水化物)だけです。とは言え、油は時間をかけて肝臓で糖にも変えられますが、それは食後8〜10時間後ですので忘れた頃血糖が上がります。また、油はカロリーが多い(ブドウ糖1g=4kcalに対して油1g=9kcal)ので、摂りすぎると太ります。

 一方、油は体を構成する基本物質であり体内では合成できない油(必須脂肪酸)もありこれは食事から摂らねばなりません。とは言え、現代生活ではオメガ6系不飽和脂肪酸摂取が多くなりがちでオメガ3の摂取が少なく、その結果、動脈硬化や炎症、がん等が増えやすくなるとされますので、積極的にオメガ3摂取量を増やし、両者のバランスを改善する必要があります。オメガ3の代表は青魚(鯖、鯵、鰯など)に多く含まれるEPA(DHA)で、鰯を大量に食べるエスキモーに心筋梗塞が少ないことは昔から知られていました。またアマニ油、エゴマ油、クルミ、アーモンド等も勧められます。またマーガリン、ショートニングに多く含まれるトランス脂肪酸(合成油)は心臓病のリスクを高めるとされますので、控えた方が良いでしょう。

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 例え糖尿病があっても合併症を出さないために、血糖値はどの程度まで下げることが必要なのでしょうか? 1990年代に米国、英国、日本で行われた大規模調査研究の結果では、HbA1cを7%未満に維持すると、6~10年後合併症は大幅に抑えられることが分かりました。ただし、これは網膜症、腎症、神経障害の3大合併症の場合であり、動脈硬化については明らかとなりませんでした。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし、現在日本人の死因の第2位が心臓病死です。
 ところが、この調査研究をさらに10年以上追跡してみると、当初の段階でHbA1cが7%以下に維持できた人たちはより悪かった人たちに比べ、その後の血糖管理状況が同等であっても、心筋梗塞の発症や死亡率が有意に少ないことが分かったのです。
 
 つまり、糖尿病を発症した直後からの血糖管理をしっかり良くしておくことが、将来に亘って血管合併症を減らし、心筋梗塞や死亡率をも減らすことが示唆されたのです。このことはグライセミック・メモリー(血糖の記憶)、またはレガシー効果(遺産効果)などと言われます。
*HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー);血糖の約1カ月平均に相当する値。

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 最近は糖質(炭水化物)制限が流行りで実行されている方も多いことでしょう。メリットとしては、まず痩せやすい。糖質の多い食物だけを減らせば良いので簡単で実行しやすい。食後血糖が上がらなくなり動脈硬化の予防になる。内臓脂肪が減りメタボも解消、認知症やガンの予防にも良さそう。
 欠点としては、長期間続けるのがつらくリバウンドしやすい。炭水化物好きな人にとっては尚更です。腸内フローラに悪い可能性。腸内善玉菌を増やす食事は少なからず糖質だったりします。極端な糖質制限は逆に体調を悪くする可能性があり、お勧めは一日の糖質摂取量を70〜130gに保つ「緩やかな糖質制限」です。糖質を極端に減らすと血液中のケトン体が増えますが糖尿病の方は重篤な病態につながる恐れも出てきます。
 糖質制限すれば、蛋白質と脂質の摂取が増えることになります。腎臓病で蛋白質制限を指示されている方は主治医とご相談ください。脂質摂取が増えるとカロリーが多くなるので肥満の方は要注意。摂る油の種類を考え、青魚を始めとして、アマニ油、えごま油、ナッツ類に多く含まれるオメガ3系脂肪酸(EPA、DHA)で増やせば、脳や血管の炎症を抑えるという話もありオススメです。当院では管理栄養士による指導も予約で行っております。

 

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

 糖尿病の改善、予防には、食事療法とともに運動療法が有効です。運動による消費カロリーは実はあまり多くありません。しかし定期的に運動を続けると代謝が良くなりインスリンの効きやすい体質に変わります。少し汗ばむ程度、二人で歩く場合は軽く会話ができる程度のスピードで1日30分、週に3日以上歩く(ウォーキング)のが良いとされます。
軽い筋トレ(レジスタンス運動)を組み合わせるとより効果的。骨格筋が増える事で体が運動モードに入り脂肪がより燃えやすくなります。椅子を使ったスクワット、階段の昇降、膝をついたままの腕立て伏せ、椅子から立ったり座ったりする運動でもよいです。米国糖尿病学会では今年「30分に1回は立って軽い活動をすべき」と勧告されました。じっと座っている時間が長い人ほど生命予後が悪くなるというデータもあります。
 
 糖尿病のウォーキングは「食後」にすべき。歩きはじめて5分で血糖が燃え始めますが20〜30分後からは脂肪がより燃えやすくなります。痩せるためには20分以上歩くべきですが、わずか5分間のコマ切れウォーキングでも血糖低下はみられます。理想の歩数は一日8000〜1万歩ですが、習慣の無い方はまず5分、10分のコマ切れウォーキングから始めてみても良いです。膝の悪い方は自転車、水中歩行という手も。

(注:体調の悪い方は医師に相談してから行って下さい。)

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

2018.07.24更新

「血糖値スパイク」という言葉を知っていますか。検診やドックで空腹時血糖やHbA1cは正常であるにもかかわらず、食後血糖が140mg/dl以上に一時的にスパイク状に上がってしまう場合を言います。食後だけ一時的に上がるのみで、空腹時血糖はほぼ正常ですので検診では引っかからないことが多いです。しかし、血糖値スパイクの値の増加、頻度の増加につれて様々な合併症が起きやすくなることが分かって来ました。具体的には心筋梗塞、脳梗塞や認知症、さらには癌のリスクも高めるとされます。
血糖値スパイクは、食後1時間程での血糖を測ることで見つけることが可能です。出来るだけ早期に見つけ、無かった状態に速やかに戻すべく努力することが大事です。まだ糖尿病ではなく、以下が有効とされます。①食べる順番;まず野菜→肉魚から手をつけ、ご飯(炭水化物)は最後に食べる。②朝食を抜かない;食事を抜くとインスリン分泌が落ちるので次の食事で血糖値スパイクが起きやすくなる。定期的に一日三食食べるのが望ましい。③食後はちょこちょこ動け!;食後すぐに動くことで血液が手足の筋肉に奪われ、胃腸の動きが落ち糖の吸収が落ちるので血糖が上がりにくい。出来れば食後すぐに散歩する。このような小まめな心がけだけでも血糖値スパイクの程度、頻度を減らすことが出来、それは必ず効果があります。

投稿者: わたなべ糖内科クリニック

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